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第1003話

「どうせなら、前から抱き付いて欲しいな。」 「はい。」 手を広げると素直に抱き付いてくれた。 真っ直ぐな髪が頬を擽る。 たま身長が伸びたらしい。 その髪を梳きながら丸い頭を撫でる。 さらさらで触り心地も良い。 「流石子供体温。 腹があったけぇ。」 「正宗さんの方があったかいですよ。」 「じゃあ、あっためてやる。」 ふざけてぎゅーっと抱き締めると楽しそうな三条の声に長岡は上機嫌だ。 「ほっせぇ。 ほんと折れそう。」 「折れませんって…。 大袈裟ですよ。」 「んー、別の方法であっためてやろうかな。 ほら、顔上げて。」 「ん…、ん」 何時もより冷たい唇が新鮮で、ぺろりと舐めた。 舐めては口を触れ合わせ、腰を抱きながら右手で頬を撫で回す。 唇を離すも今度は親指でその濡れた唇を撫で、遂には口の中へと侵入させた。 舌を弄りながら唾液を掻き混ぜる。 「あったまった?」 口の中に指があり話しにくいのを良い事に長岡は三条の耳元に口を寄せ囁く。 「もっとあっためてやるよ。 セックスで。」 「…!!」 口から出ていく指と舌が名残惜しそうに唾液で繋がっている。

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