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第1017話
「待たせたな。
遥登、アイス食おうか。」
「はい。」
「ん?
どうした。」
洗い晒しの髪。
血色の良くなった肌。
学校じゃ絶対見れないその姿にドキドキと胸が騒ぎはじめた。
今日はじめて見た訳でもないし、生娘じゃあるまい。
ぶんぶんと首を横に振ると長岡は不思議そうな顔をしたが、アイスを取りに冷蔵庫へと足を向けた。
見慣れてるだろ
なに今更緊張してるんだよ
「ほら、遥登の分。」
大人味のアイスを半分に分けると当たり前の様に寄越しながら近付いてくる。
「ありがとうございます。」
「どういたしまして。」
どさっとソファに腰をおろすとちゅーちゅー吸うので、三条もそれを倣う。
「遥登、隣おいで。」
隣を叩きながら楽しそうに誘ってくる長岡の言葉に甘え腰を上げると手を引かれた。
「失礼します。
……あの…」
「ん?」
「隣じゃないんですか…?」
「膝の上っつっても来ねぇだろ。
嘘も方便だよ。」
アイスを口に銜えたまま腰に手を回され下ろされた先は長岡の膝の上。
長岡は満足げに自分を見ていた。
チュゥ
「どうした?」
「…待て、出来たから」
「ん、良い子に待てた遥登にはご褒美だな。
何が良い?
キス?
腕枕?」
「…その、ですね」
長岡は目を泳がす三条を抱き締めた。
「セックス?」
耳元で囁く楽しそうな声に三条はもう反応出来なかった。
「アイス食ったらしようか。」
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