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第1018話

「ベッド行こうか。」 長岡の首に顔を埋めたまま小さく頷いた。 顔を見られるのが恥ずかしい。 どんな顔をしていたら良いのかも解らないし、絶対変な顔をしている。 背中を摩る手が離れると同時に三条もゆっくりと体を離した。 「少し待ってろ。」 三条の手からアイスの空容器を取ると台所スペースへと向かう。 ごみを捨て冷蔵庫から水のペットボトルを取り出すと部屋の電気を消し、俺の手を引いて寝室の扉を閉めた。 「正宗さん…」 「どうした?」 「…俺、…あの…」 冷たくて大きな手が前髪を後ろに撫で付けた。 幾房かが額を隠そうと戻る。 「今日は激しくして良いか?」 恋人はなんでもお見通しだ。 下唇を噛み締めこくんと頷く三条に長岡は困った様に笑う。 「唇切れるだろ。 噛むなって。」 そう言って重なる唇の気持ち良さに三条は纏う空気を甘くした。

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