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第1025話
目を覚ますとまず最初にさらさらとした髪が視界に入った。
あたたかなぬくもりに先日の寒さは吹き飛ぶ。
あったけぇ
やっぱ遥登が居てくれると良いな
すりっと頬擦りをすると最高の目覚めを噛み締める。
顔にかかる前髪を耳にかけながら顔を覗くと昨晩、カーテンの向こうが白む迄身体を重ねたせいでぐったりとしているが顔色は悪くない。
激しくした自覚があるだけに可愛いと思う反面申し訳なくも思う。
ガリガリの身体でよく付き合ってくれた。
今は何時だろうかかとサイドチェストに手を伸ばすがあと少し届かない。
三条を起こさない様に充電コードを掴むとやっとスマホを手に出来た。
デジタル時計を確認すると、それは音もなく時を刻む。
昼飯にはまだ早ぇな
も少し寝かしとくか
スリープにするとまた起こさない様にそっとチェストに置いた。
開いた空間に入る空気が冷たいのか腹に抱き付いてきた。
鎖骨に額を押し付け小さくなろうとする三条に、ふと笑みが溢れる。
肩までしっかりとふとんに埋っているのを確認し、その身体を抱き締めた。
子供体温で清潔なにおいがして、とても愛おしい。
やっぱ俺も寝っかな
「遥登、愛してる。」
そっと額に唇を寄せる。
気持ち良さそうな寝息を聴きながらもう一眠りしようと目を閉じた。
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