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第1027話
朝兼昼食を食べ終え、ソファから脚を投げ出し本を読んでいるとページを捲る腕にあたたかな手が触れた。
そちらに視線をずらすと丸い頭が寄って来ている。
「んー…、正宗さん…」
長岡の腕に自分のそれを絡める三条はぐりぐりと額を押し当ててきた。
甘い呂律に珍しいこの姿。
すくに解った。
「どうした。
眠いか?」
「ん、」
「ベッドいこうか。
昼寝しような。」
頭を撫でると大人しくなる。
中々見る事の出来ない甘えた遥登の姿。
「正宗さんも」
「はいはい、一緒な。」
ふにゃふにゃな遥登とベッドに寝転ぶと抱き着いてくる。
背中をポンポンと叩きながら自分より高い体温を腕の中に閉じ込めるとすぐに規則正しい寝息が聴こえてきた。
こんな遥登を見るのは久しぶりだ。
あれは何時だったか。
あぁ、そうだ
自慰じゃ満足出来ないって強請りに来た日か
「せん、せ」
「どうした。」
胸に埋めている顔を覗くとふにゃふにゃの顔で気持ち良さそうに眠っている。
寝言か
それにしても先生、か
長岡も三条の髪に顔を埋め夢の中へいく支度をする。
「遥登、起きたら名前で読んでな。」
早く愛しい声で名前を呼んで欲しいと目を閉じた。
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