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第1032話

くそ…、電車がねぇ… 乗換駅へと向かう電車は1時間に1本。 それさえない時間もある上に終電も早い。 良くも悪くも田舎の駅だ。 解ってはいたが、とにかく先に身体が動いていた三条は見上げた時計と目の前の時刻表を何度も見比べた。 どんなに見比べようとあと1時間は来ない。 そんな事は理解しているのに。 携帯で検索すると長岡の部屋のある駅に向かうバスの方が早く到着する。 そこからの方が電車の便は良い。 遠回りにはなるが、乗換駅で待つ時間を考えれば今思い付く最善策だ。 そうと決めれば次は連絡。 いくら長岡が残業ばかりしているとは言え早くに帰宅する事もある。 直接自分の口から言えるのなら部屋で会ったって構わない。 乗換アプリを閉じると、メッセージアプリをタップする。 『正宗さん会いたいです』 落ち着かない身体を持て余す三条はそう恋人にメッセージを送った。

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