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第1033話

『正宗さん会いたいです』 ん…? 遥登…? 同僚達の目を盗みスマホを覗くと恋人からのメッセージが届いていた。 『なんかあったのか』 フリック入力で文字を入力するとすぐに送る。 会いたいです 何時もなら、ご迷惑でなければ少し時間をいただけますかと言葉を付け加えて送ってくる真面目な子だ。 そんな子が用件だけを伝えてくる。 何時だったのようだ。 あの日全てを終わらせる覚悟で…… そうだ、クリスマス プリントを製作していた長岡はふと手を止めた。 そんなに急ぎの用事、それも三条から冷静さを欠く事。 眉間に皺を寄せ暫し考える。 駄目だ 全然わかんねぇ 真っ黒な画面を眺めているとパッと明るくなりメッセージが表示された。 『お話したい事があるので今から学校に行きます まだ学校にいますか?』 学校? そもそも電車あんのか… 何時もの口調に戻った三条からのメッセージにまた頭を悩ませる。

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