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第1042話
狭い個室にくっついて入ると携帯を使って静かに会話をする。
顔が赤いのを風邪をひいたんじゃと心配され、弁解すると長岡は早々に納得してくれた。
『俺のちんこなんて見慣れてんだろ
銜えんのも』
うち途中のその文字に慌てて画面を手で覆い隠す三条は、顔を真っ赤に照れていた。
目がそれ以上は言わないでくれと必死に訴えている。
分かったと伝える様に後頭部を撫でると三条の纏う空気が変わった。
長岡にとって三条は分かりやすいらしいが、それは多くの時間を一緒に過ごしたから。
それだけ沢山の色んな表情を見てきた事になる。
『で、田上達には話せたか?』
頷くと話の続きを打ち込む。
『なんて?』
『おめでとうって
すごく喜んでくれました』
『良かったな』
今度は長岡の目を見て頷いた。
大好きな人は優しく微笑んでくれる。
友人も恋人も自分以上に喜んでくれて本当に本当に嬉しい。
本当に人に恵まれた高校生活だ。
『良い友達なんです』
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