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第1046話
一昨年は頭に顔を埋められたのに、今は旋毛が見えない。
遠慮ばかりのところは付き合いたての頃と変わらないのに、背はこの2年で随分と成長した。
「遥登のにおい。
マジいいにおい。」
「正宗さんもいいにおいします。」
「柔軟剤か香水だろ。」
「正宗さんのにおいです。」
本当に嬉しそうな顔をする。
ふわふわと辺りに花が咲き乱れ
頬を指で擽り髪に唇をくっ付け甘やかす。
「俺のにおい好きなのか。
はるちゃんのえっち。」
「やらしい意味では…」
「違うのか?」
長岡のやわらかく細められた目に触発され、その頬にそっと手を伸ばした。
この部屋に来るまでに冷えてしまった身体はしっかりとあたたまっている。
風邪なんてひかせたら大変だ。
「あとは?」
「だらだら、したいです。」
「何時もと変わんねぇって。
本当にそんなんで良いのか?」
「正宗さんとだらだらしたいんです。」
ぎゅぅっと抱き付いて額を擦り付けてきた。
「わかったわかった。
今日は遥登の願い事なんでも叶えてやるよ。
じゃあ、アイス食いながらごろごしような。」
アイスの言葉にキラキラした顔を上げる。
ぶんぶんと尻尾を振り、本当に嬉しそうな顔をしてしっかりと頷く。
「半分こな。
大人の贅沢ショコラ買っといた。
あと、カリカリくん。」
「ありがとうございます。」
「ん、どういたしまして。
なにが良い?」
「正宗さんが食べたいのが良いです。」
「じゃ、贅沢ショコラ食うか。
半分こ。」
「はいっ。」
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