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第1053話

三条と仲良くなるのにそう時間はかからなかった。 真面目そうな外見だが話すと柔軟で、何時もにこにこ笑っている。 話も合うし、一緒にいて楽しい。 「三条、飯食おう。」 「うん。 腹減った。」 しかも俺よりよく食べる。 驚く位食う。 はじめて知った時は驚き過ぎて暫く口を開けたままその様子をただ眺めていた位だ。 昼飯を食う準備をしていると近付く影に三条は顔を上げた。 「なぁなぁ、俺も一緒に昼食って良い?」 それから暫くして、俺達と話してみたかったと話し掛けてきたのが吉田隆平。 「うん。 俺は良いよ。」 「俺も。 でも、友達は良いの?」 「うん。 前から2人と話してみたかったんだ。 お、三条の昼飯美味そー。 なに、三条ってそんな美味そうな飯食っててその体型なの?」 「うん。 体質。」 「あ、気にしてたらわりぃ。」 「んーん。 よく言われるし慣れてるから気にしないで。」 まだどこかよそよそしい雰囲気の中、気さくに話し掛けてきた吉田は何時も友達の輪の中心にいてムードメーカーって印象が強い。 と言うか、まだそれ位しかお互いの事を知る機会もない。 だけど、三条の体型を指摘して自力でどうこう出来ないのだと知るとすぐに謝った。 ムードメーカーなだけじゃないんだと、その横顔をまじまじと見る。 「そう言えばなんで名前知ってるの?」 「話してみたかったって言ったろ。 俺、嘘言わねぇもん。」 「もん、って。 ははっ、吉田ってそういうキャラなんだ。」 「そ。 僕は良い子なんです。」 そこから意気投合した俺達は3人でつるむようになった。 お互いの家に泊まりに行ったり、テスト明けにモフに行ったり、大盛りラーメンを食べたり。 あの時三条に話し掛けて良かった。 吉田が話し掛けてくれて良かった。

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