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第1072話

12月25日はクリスマス。 子供も大人も浮き足立つ聖なる日。 だけど、同日は冬季休業前の全校集会がある。 そして課題も山程出される日。 全校集会を終え教室へと戻る道すがら、田上は高笑いした。 「リア充達めっ、学校でデートはお預けだ! はっはっはっはっ!」 「午後から出来るけどな。」 「うん。 それも制服デート。」 「くっそ…ッ」 三条と吉田の冷静なツッコミに田上は口をつぐんだ。 相変わらずの田上に三条は楽しそうな顔をしている。 吉田は両手をポケットに突っ込みながらけたけたと笑う。 この3人組は何時も笑っている。 楽しくなくてもにこにこした顔の三条に釣られて笑う。 「で、三条もデートか?」 「…なんの事?」 「ほんっと、引っ掻かんねぇよな。」 当たり前だ。 恋人は担任なんだ。 同性同士よりリスキー過ぎる。 「ん? なんの話しての?」 「放課後、コンビニケーキ食べようって。」 「楽しそうだな! 少し位良いよな! 食おうぜ!」 「田上が飲み物奢ってくれるって。」 「言ってねぇって。 三条っ。」 ほんの少し位息抜きをしても構わないだろう。 楽しい事は受験が終わるまで一旦休み。

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