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第1085話

チュ…チュゥ 何度も啄む様なキスを繰り返し、ゆっくりと顔を離す。 優しい光が長岡を淡く浮かび上がらせ、三条をときめかせる。 「俺も遥登が好きだよ。 愛してる」 毎年言ってくれるその言葉に、胸がいっぱいで言葉がでない。 ぎゅぅと抱き付くと悲しくないのに涙が溢れて、同じだけ長岡の事を好きだと思う気持ちまで溢れ出る。 「…すきです。 俺も、あいしてます。」 「泣くなって。 もっと泣かせたくなんだろ。」 親指で拭っても溢れる涙を長岡は舐めた。 「愛してる。」 「俺も、愛してます。」 長岡の優しい笑顔に、三条は睫毛を濡らしながら笑い返した。 それは、それは、とてもしあわせそうに。

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