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第1100話

「実況しないでください…」 「じゃあ、遥登が実況な。 ほら、カメラ目線。」 顎を捕まれカメラに顔を晒す三条はせめて視線だけでも逸らした。 カメラ目線なんて恥ずかし過ぎて、まだ理性が強い今は出来ない。 「嫌そうな顔たまんねぇ。」 顔から下がっていくスマホ。 臍を過ぎて、下半身を写している。 着衣越しなのにまるですべてを見られているような気さえする。 「だって、恥ずかしくて…」 長岡に視線を送った。 「やっぱ顔だな。 遥登、大人っぽくなったよな。 格好良くなった。」 「格好良いのは、正宗さんですし。 …成長期ですから、」 「成長を記録すんのも楽しいんだって。 俺の楽しみ取んなよ。」 本当に楽しいと分かる声に、嫌とは言えない。 自分が長岡の立場でも恋人の成長を記録するだろうし、したいと思う。 される側は恥ずかしくてたまらないが、でも…。 「…少し、だけですよ」

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