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第1113話

授業が再開され、あっという間に1ヶ月の半分が過ぎた。 またテスト製作に追われる日々がはじまる。 そんなこの時期に縁起の良い名前のチョコレート菓子のお徳用を買った。 41個。 A組の人数分。 残りは机に片付けた。 校舎に響く予鈴音に教師達は立ち上がる。 長岡もそれを大きな袋に詰め込むと出席簿と共に手にして教室へと向かった。 「先生からの気持ちです。 気負いし過ぎず、何時も通りの力を発揮して来てください。」 「やったー。」 「お菓子だ!」 「あんまり大きな声で言うとB組にバレるだろ。 声抑えてくれ。」 ベタだとは思いつつも、こういうのは気持ちだ。 応援してると伝わってくれればそれで良い。 中にはもう進学先が決まっている生徒もいるが。 だけど、誰が特別とかはなく心の底から応援している。 「先生、ありがとー。」 「合格してから食う!」 「どういたしまして。 他のクラスには内緒な。」 負けんな。

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