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第1125話
にゃー
「んー、どうした。」
にゃー、にゃー、
「んー、そうだな。」
一人暮らしをはじめても自分が居た時と変わらない部屋。
随分と小さくなった学習机も足の出るベッドもそのまま。
蓬は力強い目を細め自分のにおいを付ける。
長岡はそれに答えながら、湿気てしまった段ボールから本を取り出し片付けていた。
本自体は大丈夫そうで良かった
これと…これは持って帰るか
三条の好きそうな本を数冊本棚から引き抜き、空いた隙間を埋めていく。
暫く読まない物は押し入れに。
その間にベッドに移動している。
自分も大概マイペースだがやっぱり猫には敵わない。
最後に猫達の玩具にならないよう段ボールを畳んだ。
「蓬、下行くぞ。
此処に居んのか。」
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