炬燵に脚を入れ、対策プリントを解いていく。 このプリントを解くのも最後になった。 担任が作ったプリント。 それすら愛おしい。 「兄ちゃん、ジュース飲む？」 「んー、頂戴。」 台所から声が聞こえ、顔を上げると弟が冷蔵庫の中を覗いていた。 おやつ時だし腹でも空いたのだろう。 マグカップにオレンジジュースを入れて持ってきてくれた弟からありがとうと受けとり喉を潤す。 暖房もきいていて喉が乾いていたからより美味い。 弟はごくごくと喉を鳴らすと、反対側で寝転びながらゲームをし始めた。 楽しそうな鼻歌を聞きながらまたプリントを解く。 丁寧に作られた問題はそれだけで要点をきちんと理解出来る。 誰が何を伝えたい問題なのか、何を問いた問題なのか、何を答えれば良いのか、何覚えれば良いのか。 きっと逆算して作ったんだ。 これを覚えて欲しい、理解して欲しい、なら問題はこう。 本当に古典の好きな先生だ。