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第1140話

「今日は楽しかった。 お邪魔させてくれて、ありがとう。」 「此方こそ楽しかったよ。」 地元の吉田、反対方向の知佳ちゃん未知子ちゃんとは駅でお別れ。 先に電車の来た三条と田上はそれを見送り、女の子達を見送る事にした。 吉田を1人で待たすのも嫌だった。 だから、三条も田上もそうした。 入学して仲良くなってからずっと3人でいたから、今更1人なんて考えられない。 「水族館、楽しみにしてるね。」 「俺も楽しみ。 みんなで行くの楽しみだね。」 優しくなる吉田の表情には確かに愛情が感じられる。 上手くいくと良いなと思いながらも、友人の気持ちばかりを押し付けるのではなく知佳ちゃんの気持ちも大切にしたい。 だからこそもどかしいが、青春っぽくて少し羨ましい。 自分にはあんなに格好良い恋人がいるが。 楽しい時間の話は尽きない やがてゆっくりと滑り込んできた電車に2人が乗ると、吉田は名残惜しそうに手を振った。 またね、と手を振り替えしてくれる2人を乗せた電車は同じ様にゆっくりと動きだし、風だけを残して次の駅へと向かっていく。 「で、水族館は何時にすんの?」 「うーん…。 雪溶けてからが良いよな。 でも、2月会えないの寂しいよなぁ。」 やべ、という顔をした吉田に友人は肩をぶつける。 「ははっ、俺も寂しい。」 「俺も、寂しいよ。」 学校に行けば理由なく会えた筈なのに、学校に行かなくて良いだけで会える理由がなくなった。 担任にも友人にも会えないのは寂しい。 みんな言わないだけて同じ気持ち。 寂しいな。

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