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第1153話
久し振りの外デート。
長岡が高速にハンドルを切った時は驚いたが、ドライブだと何時もの顔で微笑まれ不安な言葉を飲み込んだ。
確かに、他の場所に比べたら生徒に会う確率は低いかもしれない。
サービスエリアでモフを買い込み車内で食べる。
「久しぶりに食うとうめぇな。」
「俺はテスト明け何時も食べてます。」
「田上達とか?
3人でどんだけ食うんだ。」
三条も長岡も折角のデートでの食事がジャンクフードだとか車内だとか、そんな事は気にしない。
2人で食べればなんでもご馳走になる。
それだけで良い。
野菜が沢山挟まったそれに大きな口を開けてかぶり付く。
口の端にミートソースが付いたのを舌で舐めとると、隣からフキンが手渡された。
「ありがとうございます。」
「どういたしまして。
一口食うか?」
「見られますよ…。」
長岡は後ろを確認するとにやっと右口角を上げる。
嫌味な位格好良い。
「今なら誰もいねぇよ。
ほら、おっきく口開けて。」
三条も後方を確認し、長岡が差し出すそれに大きな口を開けてかじり付いた。
「美味い?」
しっかりと頷く三条に長岡の表情がやわらかく変わる。
言葉にするのは難しく、なんと表現したらぴったりなのか分からないが1番好き顔。
その顔に三条もはにかんだ。
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