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第1172話
風呂で汗を流しさっぱりしたら次は食事。
長岡の目の前で、部屋に運んでもらった御膳に三条は嬉しそうに花を咲かせている。
「すごいご馳走ですね!
どれも美味しそう。」
「あぁ。
美味そうだな。」
刺身に焼き魚、朴葉焼きに茶碗蒸し、煮物、和え物と机いっぱいにご馳走が並んでいれば三条だけでなく長岡もご機嫌だった。
おひつに入ったご飯も艶々としていて食欲をそそる。
「あれ、正宗さん酒は飲まないんですか?
さっき聞かれてましたよね。」
「あぁ、俺も烏龍茶にしたんだ。
また風呂も入りてぇし、飲むなら遥登と飲みてぇからな。」
長岡の何気無い気持ちや言葉選びが嬉しい。
出世払いが出来る様になるのが何時になるかわからないが、その時はお酒を飲んでゆっくりしてもらおう。
隣に恋人が居てくれればなんで部屋デートだろうが外デートだろうがなんでも楽しいが、自分の事を考えてデートに連れてきてくれた事実が嬉しい。
「また来ような。」
「はい。」
「じゃあ、あったかい内に食うか。
いただきます。」
「いただきます。」
何時と同じ様に2人で手を合わせて箸を伸ばした。
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