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第1173話

肉も魚も、野菜も新鮮で瑞々しくて美味い。 三条も長岡も豪勢な食事ににこにこと舌鼓を打つ。 朴葉の爽やかな香りに味噌の焦げた香ばしいにおいがしてきた。 味噌を纏った肉がクツクツと美味そうな湯気を広げる。 その1つを口に運ぶと味噌の甘辛い味付けに白飯が進む。 「んーま」 そんな恋人を見ながら食べる夕餉は贅沢だ。 しあわせそうな顔してんな 此処にして良かった 頬袋いっぱいにもぐもぐと食べる遥登に誘って良かったと心から思う。 そして、こんな良い顔が見れて嬉しい。 「…っ」 ははっ、今度は熱かったのか 俺も食う時気を付けよう 豊かな表情は長岡にも遺伝する。 学校での真面目な長岡先生の面影すらない。 三条だけが知っている特別な顔。 「美味いな。」 「はい。 すごく美味しいです。」 「今んとこ遥登の一押しは?」 「うーん、ホタテのお刺身美味しかったです。」 「料理っつぅか食材じゃねぇか。」 眉を下げて笑うその顔に三条はとてもしあわせそうな顔をした。

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