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第1181話

「浴衣も旅館のだから、脱ごうな。」 低く甘い声。 ゾクっとする程格好良い。 布ずれの音と共に身体に空気を感じる。 こんな雰囲気の中、自分だけが裸。 長岡の袷から手を差し入れると胸元が大きく開いた。 「俺も脱ぐよ。」 「汚しますか…?」 「ん、俺も遥登ん中入りてぇし、ぐちゃぐちゃにしてぇからな。」 三条は胸から首へと手を滑らせると、ぎゅぅっと抱き付いた。 「いっぱい、してください。」 「沢山してやるから沢山甘えろ。 な。」 すりっと頬擦りすると身体がゆっくりと離れた。 前髪を後ろに撫で付けながら現れた額にまたキスをして甘やかす。 もう骨抜きなのにずっと甘やかしてくれるなんて身体まで溶けてしまう。 帯を解いた長岡は肩から浴衣を滑らせ裸体を晒した。 「寒かったらすぐ言えよ。」 鞄の中からローションを手にした長岡は三条に微笑みかけ、それを手に広げた。 「あっためなくて大丈夫ですから、あの…、」 「焦んなって。 まだ、夜は長ぇだろ。」 入浴時の情事で何時もよりやわらかいそこは、ローションを纏った指をすぐに2本銜え込んだ。 根本まで入れられた指は括約筋を解す動きを変え、三条を気持ち良くする為の動きへと変わる。 「気持ちい?」 「…きもちい、です」 「拡げてるだけなのにか?」 「……きもち、」 はぁ、と吐いた息は上がってきて感じている事なんてモロバレだろう。 こんな気持ち良くてしあわせな事2人で分け合わないなんて勿体ない。

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