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第1192話

楽しかった旅行から帰ってきて3日。 遥登のお陰で頭もすっきりしたし、何より色んな遥登が見れて本当に行って良かった。 車から降りると自分の部屋を見上げる。 明かりの付いた部屋に足が早く早くと急ぐ。 明かりの付いた部屋だから急ぐんじゃない。 階段を最上階迄登りきり鍵を開けた。 無機質な玄関に明かりが灯っている。 ただ、それだけなのに何時もと違う。 「ただいま。」 「正宗さん、おかえりなさい。」 「ただいま。 遥登。」 遥登が居ると居ないじゃ、0と100も違う。 夕飯のにおいと共に廊下にやってきた三条の笑顔に頬が緩む。 あぁ、やっぱりこの顔は良いな。 私服の恋人はまるで飼い主の帰りを待ちわびていたかの様に玄関までやってきて、じっと靴を脱ぐ様子を見ている。 「なんだよ。 おかえりのキスでもしてくれんのか?」 「…します。」 言ってみるもんだなと待っていると清潔な髪の隙間から赤くなった耳が見えた。 そっと腕をひかれ腰を屈めると、やわらかな唇が頬に触れた。

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