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第1193話
手洗いを済ませ恋人が作ってくれた焼きそばを持ってリビングに向かう背中に視線を感じる。
同じ物を持った恋人からのものだ。
ローテーブルに焼きそばとかきたまの中華スープ、焼きそばに入っているのと同じ野菜で作られたナムルを並べると、三条は改まって正座した。
背筋を伸ばし、リュックの中から取り出した小さな紙袋を前に差し出す。
「正宗さん、今年も受け取ってもらえますか。」
「あぁ、勿論。
ありがとうございます。」
抱き締めたついでに、いや、本当はどっちもしたいだけだが、頬にキスをした。
はにかむ三条が可愛くて愛おしくて今度は唇。
ちゅ、ちゅ、と何度も触れるだけのキスを繰り返し、顔中に降らせていく。
「擽ったい、ですから…」
「擽ったいだけ?」
「…きもちい、です。」
「よく言えました。」
今度は唇に。
そして深く舌を絡ませるものにしていく。
三条の舌を吸い、甘噛みし、息が出来なくて苦しいと訴えるまで貪る。
「ぷは…っ」
「ははっ、下手くそ。
もう大学生になるのにそんなんで大丈夫かよ。」
「しょ、精進します。」
唾液で濡れた唇を指で拭うと三条はぺろっとその指を舐めた。
無意識にエロい事をする迄になってもキスだけは不馴れだ。
ま、そこが可愛いんだけどな。
「じゃあ、練習。
ほら、口開けて。」
スープが三条の飲み頃になる迄飽きずに何度も練習と称してキスを繰り返した。
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