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第1209話
「田上 勝幸」
田上は本当に古典が苦手で、古典と言うだけで身構える様な典型的な理系。
だけど、きちんと古典にも向き合ってくれたな。
何時も三条の隣にいて、三条を見る度に視界に入ていた。
いや、悪い意味ではない。
田上や吉田が居てくれるから三条はより笑うんだ。
本当に仲が良いな。
そういえば、はじめて委託販売のパンを食べたのは田上のおすすめだったな。
あのペストリーと洋梨のデニッシュは美味かった。
きっと自分ではデニッシュなんて選ばないだろうから新鮮だった。
美味いものを教えてくれて、ありがとう。
「吉田 隆平」
3人組のひとり。
吉田も三条を見る度に視界に入ってた。
だから、悪い意味じゃないからな。
3人でいる時の3人組の顔、すげぇ良いんだよ。
本当に楽しいんだって顔で笑ってて見てるこっちまで楽しくなる。
クラスのムードメーカーで学校行事は率先して行動してくれたり、何度も助けてもらった。
それから、勉強も頑張ってたな。
よく準備室や職員室で質問してる姿を見掛けてた。
1歩1歩着実に苦手を潰していくその根性は俺も見習わないとだ。
その明るくて素直に誰かを思える優しさをこれからも持ち続けてくれ。
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「以上、A組41名。
着席。」
今日の大仕事を終え、その場所をB組担任に譲った。
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