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第1219話
「シャワー、ありが…」
「ん、すっきりしたか?」
タオルを手に戻ってきた三条は恋人を見て動きを止めた。
「え、はい。
正宗さん、なんでスーツ着てるんですか。
何処か行かれるんですか…?」
「遥登が着て欲しそうに見てたから。
プレイっぽくて良いだろ。」
冬用コートと共にクリーニングに出そうと思い、寝室にかけておいたスーツ。
それに視線をやった三条を長岡は見逃さなかった。
ワイシャツにベスト、ジャケットの前ボタンを開け楽に着たそれに三条は驚きながらもぽわっと空気を変えた。
解りやすい三条の反応に長岡はご満悦。
名前を呼ぶとこれまた素直に近くまでやってきた三条。
更に手を引き脚を跨がらせと、確かにボディーソープのにおいは微かで下半身しか洗ってないようだと確認出来た。
「汗は流してねぇだろうな。」
「……はい。」
それでも、確認とばかりにまた首に顔を埋めべろりと舐めあげた。
確かに微かに汗の味がするし、遥登のにおも消えていない。
忠誠心が高く真面目な三条が長岡の言った事を守らない筈もないし、長岡もそんな事解りきっている。
「良い子だ。」
そのまま顎まで舐めあげた長岡は、早速腹に触れた。
「やっぱり、待ってください…」
「どうした。
やっぱ寒いか?」
「イケない事してるみたいで緊張します…」
「ははっ、んだそれ。
付き合ってんだからイケなくねぇだろ。
なんなら三条って呼んでやろうか。」
「名前、が良いです…」
親指で頬を撫でていると大きな手に細い手が重なる。
「遥登。」
「はい。」
「俺の名前は?」
「正宗さん」
「ん。」
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