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第1239話

曇…いや、雲の間から空が見えてるから晴れだ。 私服で学校に向かうのはなんだか違和感がある。 田んぼの中をひた走る電車はつい1ヶ月前まで毎日乗っていただけにもう懐かしい。 なんて感傷的な事を思っていると、電車の中で見知った顔を見て一気に1ヶ月前に戻った。 「田上、おはよう。」 「お、三条、はよー。 久し振りだな。」 「うん。 久し振り。」 スマホを弄っていた田上はそれをポケットにしまうと三条に隣の席を譲った。 ホームルームがないから1本遅いものに乗った為、座れるのは有り難い。 遠くに見知った顔を更に見付け、2人で手を振るとこちらにやって来た。 結局、半数しか集まれないらしいが友人に会えるのはやっぱり嬉しい。 車掌が学校最寄駅の名前を読み上げると、線路の脇に学校が見えた。 ゆっくりと停止し、さぁ降りるぞ、と思ったその瞬間。 ゴン…ッ 「い…ってぇ……」 「三条大丈夫かよ。 すげぇ音したぞ。」 「痛そ…」 三条は荷物置きのパイプに頭を強打した。 前回で立ち上がらなかったのに。 「三条、また背ぇ伸びた?」 「は? まだ伸びてんのかよ…」 「いや…、伸びてないと思うけど…」 「そんな高かったっけ?」 痛い頭を擦りながら電車を降りると吉田が立っていた。 頭を擦る三条に首を傾げるので事情を説明すると大爆笑しはじめた。

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