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第1271話
首にきつく抱き付いた三条は何度も与えられた絶頂に腹の筋肉を痙攣させ、荒い呼吸で必死に酸素を貪っていた。
正常位から対面座位、また正常位に戻り交わりまくった。
無毛のそこから腹、胸を自分の体液と潤滑油で汚している。
漸く萎えた陰茎、と言っても身長に似合ったサイズのそれが抜かれていく感覚にぶるりと残滓が垂れた。
ぽっかりと口を開けたアナルから精液とローションが溢れるのを気にする余裕はない。
とにかく酸素が欲しい。
「精液、垂れ流してんぞ。」
括約筋の麻痺した後孔は締めたくても上手く感覚が掴めない。
どろ…っと溢れる精液をどうする事も出来ない。
「…まさむねさん…」
「声ガサガサだな。
水持ってこようか。」
「んーん。
ここにいてください。」
労る様に頬や額に貼り付いた髪を梳いてくれる。
その手にそれを重ね頬擦りをした。
冷たくて大きな手。
長岡のだとすぐに解る手。
「ヤりまくったな。
身体中やべぇぞ。」
「ん…うれし…」
スイッチの入った三条は素直に自分の気持ちを口に出す。
その言葉に長岡は隣に寝転び汚れた身体も気にせず恋人を抱き締めた。
精液のにおいと、汗のにおい。
長岡のにおいでいっぱいで嬉しい。
すりっと寄ると額にキスをしてくれた。
長岡の隣は安心する。
ただ、しあわせだ。
春の陽気の様で、夏の日射しの様に明るく、秋の山の様に鮮やかで、冬の様にすべてを包み込んでくれる。
思わず緩む頬をそのままに三条はゆっくりと目を閉じた。
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