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第20話

「なんで駅なんだ。 三条は駅に住んでるのか。」 少しイラついている声。 自宅を教えるのは抵抗があった。 昨日あんな事されたばっかりだし… ふと前日の事が頭を過った。 真っ赤な教室に男の目がギラギラと輝く。 ぞくりとナニかが背中を走る。 無視するには大きなナニか。 長岡は溜め息を1つ吐くとスマホを取り出しながら話しはじめた。 「生徒の自宅は入学時に調査表に記入してもらってるし、勿論担任なら好きな時に閲覧出来る。 それとも三条はこんな画像バラ撒かれたいのか?」 と、朝も見せられた卑猥な写真を見せ付けてくる。 悔しい。 悔しいがどうする事も出来ない。 無力な自分を恨むしかないのか。 きゅっと下唇を噛み締めると、指で道を指し示し自宅まで送ってもらった。 長いドライブはやっと終わる。 自宅前に着くと三条を車内に残して長岡はさっさとチャイムを押しに行く。 背中を丸めインターホンに話すと慌てた様に家から母さんが出て来た。 「……、」 昨日の今日だ。 あんな事をして親に会うのはなんだか気が引け視線を落とす。 よく普通に話せるな… 三条はただぼんやりと足元を見ていた。

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