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第32話
6限目は震える事もなく名残の疼きだけで済んだ。
臀部が痺れる様な不思議な感覚にもぞもぞと落ち着かない。
本当に長岡が何を考えているかわからない。
一刻も早く帰りたいが中にローターが入ったまま電車に乗ることも出来ず、三条は放課後長岡の元を訪れた。
「失礼します。
長岡先生…あの、お話が…」
「どうした?
授業で解らない所でもありましたか?」
人の良さそうな笑みを浮かべて、どうした?なんてこの教師はいけしゃあしゃあとよく言える。
だがとにかく2人っきりになりたかった三条は小さく頷いた。
なんでも良い
早く帰りたい…
「じゃ、席を替えようか。」
綺麗に整った口端を上げるとよりこんな事をする人には見えなくなる。
教科準備室から出ていく長岡に続いて廊下をどんどん奥に進んで行った。
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