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第38話
「やめてほしいか?」
不意に問い掛けられ、理解するまでに数秒かかる。
やめて、ほし、い…
こくこくと頷くと中に入っている指の蹂躙が止み、あっさりと口から指を抜いてくれた。
はぁはぁと新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込む。
やめて、くれた…?
やけにあっさりしていたが今は乱れた呼吸を整える方が先だと必死に呼吸を整えていると、だらしなく涎を垂らした口元を舐められ拭う様に拭かれた。
「じゃあ、中のも取ってやらねぇとな。」
言うやいなや頭を床に押し付けられベルトを外す大きな手に嫌な予感がする。
ばたばたと暴れるとそれが気に喰わないのか舌打ちが聞こえたが、これ以上はしたない姿を見られるのは耐えられない。
「やだっ、ゃっ、ゃっ!」
「暴れんな。
大人しくしてたら画像、消してやる。
消して欲しかったら自分から強請れ。」
消して欲しい。
でもそんな事出来ない。
せめぎあう2つに三条の抵抗は弱いものへと変わる。
強請るなんてしたくない。
けれど、写真は消して欲しい。
「どうする?」
あの目が自分を見ている。
ぎゅっと手を握り締めると手のひらに爪が食い込んだ。
「…っ…な、か…に、はいってる…の…と、とってください…」
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