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第31話

 回答が出てしまえば、ざわついていた気持ちもやがて凪いで落ち着いていく。  陽向は天気のいい週末、ひとりで街に出かけることにした。  学校のない土曜日、朝遅くに起きて着替えを済ますとマンションを出る。午後からはコンビニのバイトが入っていたが午前中はあいていたので、駅前にあるショッピングセンターにまで行くことにした。  ぶらぶらしながら時間をつぶして、そのあとバイト先に向かう予定を立てる。季節は秋にさしかかる頃だったので、秋物の服でも見るかとファストファッションの店をまずぶらついてみた。その次に携帯ショップを冷やかしでのぞいて、時間もまだありそうだったから本屋にでも、と思ったところでポケットのスマホが震えた。  取りだしてみると、桐島がメッセージアプリで話しかけてきていた。 『ねね』  という言葉に『なに?』とすぐに返信する。 『このまえ、クラスの子たちと食べに行ったイタリアンのお店の名前ってなんだっけ?』  とある。思いだそうとしても、英字の羅列しか思い浮かばなかったから、検索してサイトのURLを画面に貼りつけた。 『さんきゅー。イタリアンの名前って覚えられないのよね』  と、個性的な絵柄の動物のスタンプと共に礼がくる。桐島がいつも使う不細工なカピバラが空腹にひっくり返っているイラストだった。  その絵を見ていたら、陽向も急に腹が減ってきた。URLをタップして、出てきたイタリアンレストランのピザの写真を見てみると、触発されてピザとコーラがどうしても食べたくなってくる。  ショッピングセンターからも近いその店で昼を済ませてバイトに行こうと決め、陽向はセンターを出た。  目的のレストランは駅まえ大通りの先にある。目抜き通りをぶらつきながら進んでいくと、まえから見覚えのあるふたりが歩いてくるのに気がついた。 「あれ」

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