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第4話
「葉山、大丈夫か?」
「赤池くん、大丈夫だよ・・・」
「章三も葉山も、折角来たんだから楽しんでいってくれ」
「なぁ、ギイ・・・なんか忘れてたりしないのか?」
「始めは曖昧だったけど、今は全て思い出してる・・・章三の事だって思い出してるし、葉山はクラスメートであってるよな?」
「うん、あってるよ・・・」
そうとしか答えられなかった僕。
赤池くんはいい顔はしなかった。
「ほら、章三。葉山だってそう言ってる・・・」
だけど、ギイの問いかけに一言「そうか・・・」と答えるしかなかった赤池くんが僕を見る。
僕は大丈夫だから・・・
ちょっと早くギイから離されただけだと思う。
まさか、全てが無になる日が来るなんて思いはしなかったけど、覚悟はどこかでしていた。
余りにも生きてきた世界が違うから・・
卒業すれば道は別れる・・・
僕が思い描いてた別れは・・・
こんなカタチではなかったかな・・・
だって僕は君を忘れることなんかできないよ・・・
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