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11.学祭1(桃李SIDE)

「流石桃李ちゃん。最高っ!!」 喜色満面に声を荒らげる母。 ここ迄ハイテンションな母を見たのは久々だ。 理由は俺が学祭で女装をする事になったからである。 因みに俺だけではない。 クラスでの出し物が何故か男女逆転の執事メイド喫茶になったのだ。 衣装は全員同じのを配布されるが、メイク等は各自でする事になっている。 髪は昔色々弄っていたから出来そうだが、流石に化粧はした事ないし、メイク道具も持っていない為自分で出来る自信がない。 で、夕食時母に言うと速攻で可愛らしい服を着せられフルメイクされました。 鏡の前で 「完成したから見て見て」 言われ見たが、気合い入れ過ぎだろマジで。 其処にいたのは有り得ない位の美少女。 怖い。 メイクの力恐るべし。 パシャパシャパシャパシャ。 お~い、櫻路と父さん。無言で写真を撮りまくるのは止めてくれ。 それ現像して家に飾ったり持ち歩くなよ?恥ずいから。 「あっ、ソレ後で私にも送って」 うん、コレ絶対母の待ち受け画面コース決定だな。最悪だ。 落胆仕掛けたが気を取り直して、母にメイクの仕方・落とし方・直し方を習う事にした。 自分で出来ないと学祭の時困るからな。 でもこれ出来る様になってメリットとかあんのか? あっ、コスプレとか変装の時便利そうだな。 って、する機会なさげだが。 ウチの学祭は、1年時は合唱の発表のみで、2年時からクラスでの出し物が始まり、3年時は完全に自由に出し物を選ぶ事が出来る。 尚且つ3年のクラス出し物はランキング形式で、売上1位になったクラスは後日全校集会で表彰され全員に景品が配布される。 因みに景品は毎年変わるが、去年迄は食券・図書カード・水族館や遊園地や映画の無料券等と貰えて嬉しいのばかりだった。 ソレを聞いて盛り上がらない理由がない。 何処のクラスも気合い入りまくりだ。 最初俺は雑用だけの裏方を希望したのだが、女装を回避したいのは当然ながら俺だけではなく男子全員が裏方を希望した為、結局公平にする為全員が女装・男装をする事が決定した。 因みに接客・呼び込み・裏方も時間を決めてローテーションで全員でする。 まぁ全員がするなら我慢するが、本気で嫌だ。 1位になる為にはインパクトが必要だと女子が勝手に決めたのだが、もし女装失敗した奴等ばかりになったらホラーにならないか? まぁ、それもある意味面白くて客寄せになるかもだが。 尚且つ学祭の5日前には全員の前撮り写真を撮って現像し、喫茶店の入口付近で販売もする。 一体どんだけ売り上げ伸ばしたいんだ女子よ。 本気で景品狙いに行ってるな。 まぁ、ヤル気ないよりはマシか。 因みに櫻路のクラスはタコ焼きと焼きそばを売るのだが、生徒会役員と風紀委員は見回りや運営等で忙しい為クラスに参加する暇がない。 なので役員は3年時も不参加なのだが、その代わり学祭終了時に学校側から御礼の報酬が貰えるらしい。 まぁ、大変だから報酬位貰えないと割に合わないよな。 頑張れ櫻路。 休み時間はウチのクラスに顔を出すって言ってたから俺が接客して癒してやるか。 って、接客の自信ないが、まぁ皆素人だし学祭だしそこん所は目を瞑って貰おう。 全員の衣装合わせ、女子による男子へのメイク講座、看板&教室の装飾品等の作成等々する事が沢山あり過ぎてあっという間に来てしまった学祭前日。 無事全員分の前撮りも撮り終えたし、食材の確保も終わった。 因みに飲食メニューはドリンク・クッキー・チュロス・ポテト・ピザトースト。 ポテトは出来合いのを揚げるだけだが、ピザトーストはその場で作るので少し時間が掛かる。 が、メイド喫茶定番のオムライスを作るよりかは時間短縮だ。 ローテーションの時間帯も決定したので、櫻路には俺が接客をする時間を教えた。 絶対に時間を作って遊びに行くって言ってくれたが、櫻路が来たら店内煩くなりそうだな。 有り得ない位人気だから。 俺が独占したら女子が怖そうだな。 まぁ、俺達が互いにブラコンなのは全校生徒が知ってるし大丈夫か。 「明日楽しみだね」 言われ 「だな」 ワクワクしながら俺は櫻路の腕の中、目を瞑った。

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