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7. 自覚(桃李SIDE)
「あのさ、恋人が出来たんだけどキスしても気持ち良くないんだ。櫻路とは気持ち良いのに」
父が休みの日こっそりと父に相談してみた。
櫻路と何処迄してるか、恋人と何処迄いってるか聞かれ素直に答える。
「櫻路の事は好きか?」
「弟だし好きだな」
毎日セクハラばかりしてくるが可愛い弟だ。
好きに決まっている。
「いやそうじゃなくて。う~ん。質問変えよう。もし櫻路に恋人が出来て桃李以外とキスやそれ以上をする様になったらどうする?」
いや、ないな。
でももしそうなったら………………。
「あれ?」
想像した途端溢れ出した涙。
どうしよう。
嫌だ。
もしそうなったら物凄く悲しい。
苦しくて寂しくてツラくて。
考えたくない。
止めどなく溢れる涙がパタパタと床に落ちる。
「ヤダ。嫌だ。俺以外見ちゃヤダ」
「他の人を好きになって欲しくない。キスが気持ち良い。それ以上をされても嫌じゃない。求められたり与えられたら嬉しい。それは桃李が櫻路を好きだからだよ」
好き?
「今言ってる好きは家族としての好きじゃなくて恋愛感情での好きだからね?」
俺が恋愛感情で櫻路を好き?
「分からなかったら抱かれてみると良い。まだしてないんだろ?本当に嫌だったら、兄弟としてしか見てなかったら出来ない筈だよ。もし心から欲しいって思えたら、もうそれは兄弟愛を通り越して愛になってる証拠だ」
そう、なのかな?
「ていうか、父さんは良いのか?俺が桃李を抱いても。好きだけど兄弟でもあるんだよ?」
って、は?
振り返ると背後に居た櫻路。
ちょっ、お前何時から居た?
「本当は反対した方が良いししないと行けないんだけど、本人同士が好きあってるのなら止めれないかな」
「分かった。なら遠慮しない。おいで?桃李」
差し伸べられる手。
握ったら最後、後戻り出来ない気がする。
でも
「桃李」
優しい声に逆らえない。
甘い誘惑に抗えない。
誘われる様に手を握った。
「ん…ふ、ん、んん」
自室に入るなり奪われた唇。
息さえ奪う様な口付けに酸欠で眩暈がする。
その間に脱がれた服。
抱き上げられベッドに寝かされた。
キスをされながら触られる身体。
いつも以上に敏感に反応するのは期待からだろうか。
胸を舐められ吸われ
「ふぁっ、んぁあん」
ビクビクンッ、身体が痙攣した。
「可愛い」
胸だけでイクなんて感じ過ぎだ。
「んぁ、やぁ、ぁん、ヤダ」
イッたばかりなのにもう勃ち上がっている自身。
ビクビク震えて期待し過ぎているのが丸分かりだ。
指先で擦られただけでヒクヒク収縮する入口。
嗚呼、全然隠せない。
全身が櫻路を欲しているのがバレバレだ。
「凄いね。前も後ろもびしょびしょ」
水溜まりが出来そうな位溢れる愛液。
指を挿れられただけで期待で胸が膨れた。
「いつもより中ヒクヒクしてるね。そんなに欲しい?」
完全に勃ち上がりお腹に張り付く位反り返る立派な物。
嗚呼、アレが欲しい。
胎内を櫻路で満たして欲しい。
「嫌だったら抵抗して?」
そっと入口に宛てられた物。
ゆっくり侵入してくる先端。
嗚呼、全然嫌じゃない。
寧ろ欲しくて堪らない。
受け入れてしまったら一体どうなるのだろうか。
怖くて堪らない。
「キス…して?」
不安を打ち消して貰う為に強請るキス。
優しく舌を絡められ、自身にも刺激を与えられ、全身から力が抜ける。
その隙にググって差し入れられた物。
熱くて硬くて俺の中をギチギチに満たしてくれている。
「動くよ?」
揺さぶられ始めた身体。
「ひぁ、ひゃっ、ゃ、ああああ」
有り得ない位の快楽が全身を襲う。
気持ち良過ぎておかしくなる。
「痛い?」
聞かれ、痛くなかった為
「大丈夫。気持ち良い」
素直に答えると
「なら、全部入れるから覚悟して?」
一気に奥迄貫かれた。
途端
「やぁ、ああぁあぁああ…………っっ」
激しく痙攣した身体。
頭の中が真っ白で目の前がチカチカ点灯する。
「そんなに美味しかった?」
耳元でクスリ笑う櫻路。
挿入されただけで達してしまった俺。
「トコロテンだね」
嬉しそうに言われたが何だそれ?
意味が分からないぞ?
理解する前に再開された動き。
相性が良いのか、有り得ない位奥を抉られているのにも関わらず痛みを一切感じない。
中と外全てで感じられる櫻路の熱。
抱き締めてくれる逞しいのに優しい腕も、向けられる愛しさに溢れた眼差しも、中を満たしてくれる灼ける様に熱い物も、与えられる心地良い温もりも全て俺だけの物。
もし心から欲しいって思えたら、もうそれは兄弟愛を通り越して愛になってる証拠。
嗚呼、本当にそうだな。
これはもう兄としての愛情ではない。
一人の人間として、俺は櫻路を欲している。
櫻路が好きだ。
「……………好…き……」
消え入る位小さく耳元に囁いた。
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