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第5話

それが一年前の話。 僕と成宮先生、改め雅先生の出会った経緯だ。 僕が高校二年生になったばかりのころ、雅先生は保健室に産休の先生の代わりとしてやってきた。結果的に前の先生はやめることになったから、今だに雅先生が養護教諭だが。 大好きな人に告白、玉砕した僕に悪魔の囁きをしたのは他でもない、雅先生だ。 雅先生のせいで、僕はこの人無しでは生きていけない体になってしまった。 まあ、流された僕も僕か。 でも僕は雅先生を好きな人、だとは思っていない。 単なる依存。 雅先生が僕をどう思っているかは全くもってわからないけれど、少なくとも、僕は雅先生に恋愛感情は無い。はずだ。 雅先生のこともあって、もう王子のことを考えることもなく、王子の彼氏とも平穏に隣の席同士仲良くやっている。 今は雅先生が僕のことを好きなのかどうか。 そればかり。 でもそこに、恋愛感情は無い。

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