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第9話
「えっと、七瀬」
黒木先生が躊躇いがちに口を開く。
「…はい」
「お前…、えーっと...。聞いてたか?」
「……ごめんなさい」
頭を下げると森先生がやんわりと僕に上げさせようとする。
「あー、七瀬くん!気にしないで!?」
いつもふんわりと笑う先生からは考えられないほど慌てている。
「まぁ、いずれバレちゃうことだろうし?いいじゃん」
ケラケラと笑う雅先生に黒木先生が目を細くする。
「それより……お前、うちの七瀬とどんな関係だ」
「どんな...って見てわかんない?相思相愛ー!」
雅先生は僕の肩を、抱く手の力を強くした。
「...まぁ認めるわけじゃないが、俺達は雅に借りがあるからな...」
黒木先生は雅先生の肩を叩くと森先生と職員室へと戻って行った。
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