9 / 11

第9話

「えっと、七瀬」 黒木先生が躊躇いがちに口を開く。 「…はい」 「お前…、えーっと...。聞いてたか?」 「……ごめんなさい」 頭を下げると森先生がやんわりと僕に上げさせようとする。 「あー、七瀬くん!気にしないで!?」 いつもふんわりと笑う先生からは考えられないほど慌てている。 「まぁ、いずれバレちゃうことだろうし?いいじゃん」 ケラケラと笑う雅先生に黒木先生が目を細くする。 「それより……お前、うちの七瀬とどんな関係だ」 「どんな...って見てわかんない?相思相愛ー!」 雅先生は僕の肩を、抱く手の力を強くした。 「...まぁ認めるわけじゃないが、俺達は雅に借りがあるからな...」 黒木先生は雅先生の肩を叩くと森先生と職員室へと戻って行った。

ともだちにシェアしよう!