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43.甘い罰
「待って…勝さ…、んっ」
部屋に入った途端、アキの腕をつかんだ東郷は真っ直ぐ寝室に直行し、そのままベッドに押し倒し、アキはすでに一糸まとわぬ姿だ。体中余す所なくキスの雨を降らす東郷は、アキのペニスもアヌスも同時に愛撫する。
「個室の中で、俺がどれだけ嫉妬に燃えていたか、教えてやろう」
東郷がネクタイを緩め、するりと外して床に落とした。シャツのボタンを三つ外す。そのまま脱ぐのかと思いきや、東郷はまたアキの体中にキスをして、キスマークまでつける。
「あ、やっ、そんなとこ…」
「大丈夫だ。シャツの襟で隠れるだろう?」
いくつもの小さく赤い花は、首筋にもつけられる。
唇も手も休めない東郷の激しい愛撫に、アキの先端から腹の上まで、しずくが糸を引いている。それを指ですくい取り、東郷がニヤリと笑う。
「俺も、アキのエッチな体が好きだな」
カズハの言葉を繰り返し、カズハに対抗するような笑みにアキは恥ずかしくなり、枕を乗せて顔を隠した。
「そんなこと、言わないでくださいっ」
「顔を隠したって、」
東郷はアキの両脚を持ち上げた。
「ここは丸見えだぞ」
赤く色づいた蕾は、東郷に愛されるのを待っている。
「ひゃっ!」
いきなりシワの周囲を舐められ、アキは声を上げた。小さく蠢く舌は、アキがどんなに体をよじっても貼りついてくる。それはじゃれつく子犬、“ウィキッド・ドッグ”だ。
「いやっ、やだ、勝さ…ん」
アキの顔を覆う枕が奪われた。真上から東郷が見下ろす。
「俺を嫉妬させた罰だ。思い切り恥ずかしい目にあわせて、三回はイカせてやるからな」
意地悪な瞳に、アキの下腹部がうずく。これから訪れる甘い罰は、アキにとって麻薬性のある媚薬だ。
東郷がアキの右手を取り、股間に導く。
「俺の前でオナニーしてみろ」
仕事以外で自慰を見られるのは初めてだ。そんな抵抗のあることでも、東郷の望みなら、とアキは恥ずかしそうに目を閉じ、ペニスを扱いた。
「しっかり目を開けて俺を見ろ」
アキがうっすらと目を開けると、真剣な表情の東郷がいた。
「や、やだ…恥ずかし…」
「ほら、いい子だから」
顔を近づけられ、余計に恥ずかしくなる。仕事とプライベートでは大違いだ。こんなに間近で見られ、しかも見ているのは愛する人だ。愛する人の目の前で、自分ひとりが恥ずかしいことをしている。その羞恥心がかえって、アキの手の動きを大胆にさせる。
「アキはどこを触れば一番気持ちいいんだ?」
アキは言葉にするのが恥ずかしく、くびれをギュッと握る。
「ほう…そこを握ると感じるのか。後で思い切りそこを」
“吸ってやるからな”と、唇が触れる近さで、低くささやく。
「あ…僕も…勝さんのを…思い切り吸ってみたい」
東郷がベルトを緩め、シャツを脱ぎ、スラックスを脱ぐ。下着の中央が盛り上がっていて、真ん中の合わせ目からは硬くなって窮屈そうなペニスが覗いている。
「後はアキが脱がしてくれ」
あお向けに寝た東郷の下着をずり下ろす。アキがよく知っている、少し反り気味でホクロがある、東郷のペニスが勢いよく飛び出した。
アキは後ろ向きにまたがり、東郷を口にくわえた。思い切り吸い上げ、くびれの辺りを舌舐めまわす。
東郷からもすぐにバキューム・フェラのお返しだ。体内の全てが吸いつくされそうなその吸引力に、アキの両膝の力が抜けていく。体を支えるのがやっとだ。そのうち、アキの動きが止まってしまう。
「あっ、だめ、勝さんっ、もう…出る」
吸いついた唇は離れてくれず、それどころか東郷が尻をしっかりと抱えこんでしまい、離れることができない。アキは我慢できずに東郷の口内で射精した。一滴残らず飲み干した後は、亀頭を丁寧に舐めてくれる。
東郷がするりとアキの下から抜け出すと、アキはうつ伏せのままシーツに沈んだ。
「アキ…愛してる」
背中や尻にまで多数のキスマークを咲かせ、東郷はアキに覆いかぶさるように抱きしめる。
「…飲んじゃうとか、信じられない…。恥ずかしいじゃないですか。ショーのときだって、どんなに恥ずかしかったか…」
顔がシーツに押しつけられ、くぐもった声になる。汗ばんだアキの髪を、東郷が撫でる。
「そうか、アキは飲まれると恥ずかしいのか。なら、これから毎回飲むとするか」
「勝さんの意地悪っ」
顔を横に向け抗議すると、そこには真剣な眼差しの顔があった。仕事のときのキリリとした表情とは、また少し違う――
「アキ、お前は挿れる方と挿れられる方、どちらがいい?」
「え?」
真っ赤な顔でアキは何度もまばたきする。仕事ではかなり濃厚なプレイを経験したが、アナルセックスは初めてだ。挿入する方、される方、まったく何も考えていなかった。
「俺はタチもネコもできる。アキがしたい方を選んでくれ」
東郷はベッドのヘッドボードにしつらえられた小さな扉を開けた。中から化粧品のようなボトルを出す。寝転んで、そのボトルをアキに見せる。
「ローションもあるから安心しろ。店の備品だけどな。前にアキをうちに呼んだ日、あの日にこっそり持って帰った」
「ダメでしょ、店長がそんなことしちゃ」
アキは肩を揺らして笑う。そのローションのボトルを傾け、アキは手のひらに出した。
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