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44-1.天国を見せてやる(アキ攻めver.)

「それじゃあ、僕が勝さんに挿れたい」 「ああ、いいぞ」  東郷はあお向けになると脚を広げた。手のひらに受けたローションを自分のペニスに塗りこめ、アキは東郷の膝を持ち上げる。初めて見る東郷のアヌス。周囲が少し赤みがかっている。そこにぬめった指を入れてみた。指が吸いこまれるような感覚。東郷のアヌスは、“待ちわびていた”と、どんどんアキの指を飲みこむ。 「あっ…いいぞ、その上…指で押してくれ」 「こう?」  言われたとおりに中で指を折り曲げ、グイッと押してみると、東郷が背をのけぞらせた。 「うあっ…!」  東郷の少し曲がったペニスがビクンと反応する。亀頭はもう濡れている。 「ここが気持ちいい?」  また、同じ所を刺激する。東郷が喜びの声をもらす。仕事上の演技などではない、本能からの声。自分が東郷をそうさせている、と思うだけで、アキは絶頂のときにも似た快感を覚える。 「すごい…勝さんの中、気持ちいい…」  東郷を感じさせているはずなのに、自分の指が気持ちよくてたまらない。ないはずの性感帯を、指全体に感じてしまいそうだ。ぴったりと吸いついて離れない肉の壁は、愛する人を拒まない。 「指でこれだけ気持ちよかったら、実際に挿れたときはどんなに気持ちいいんでしょうね」 「なら、試してみろ」  挑戦的な笑みと言葉に、アキはローションまみれのペニスをあてがった。もう限界だ。早く入りたくて、アキのペニスも先が濡れていた。ローションと先走りが絡まった大きな弾丸が、東郷の中に撃ちこまれる。 「くっ…!」  久しぶりの挿入のせいか、東郷の眉がしかめられた。ふうっとゆっくり息を吐くと、ペニスが飲みこまれていき、根元まで埋まった。  肉の壁に押しつぶされる感覚。亀頭になめらかな感触があるのは前立腺か。抜き差しを繰り返すと、カリ首の引っ掛かり具合がクセになる。 「うっ…くっ…、勝さん…気持ちよすぎ…!」  さっき射精したばかりなのに、数回腰を動かしただけで、もう絶頂が来ようとしている。アキが動きを止めると、東郷が体を起こした。繋がったままアキの体をあお向けに寝かせ、騎乗位になる。 「アキ、天国を見せてやるぞ」  東郷が腰を上下させる。ただ単調に腰だけを動かすのではなく、入り口を少し締めたり緩めたり、前後にも腰を揺らし、アキを翻弄する。 「アキ…愛してる…」  上からとろけそうな瞳で見つめられ、アキのペニスが東郷の中でビクンと跳ねる。 「あっ、アキ…、そこ、もっと…」  亀頭が、ちょうど東郷が喜ぶ場所に当たったようだ。そこは、アキも気持ちいい。同じ場所で同じように感じる。その一体感が体を高ぶらせる。射精感に耐えながら、何度もペニスを動かし、そこを愛撫する。だが、東郷が激しく腰を動かすため、もう限界だ。 「ああっ、ダメ、勝さんっ! もうイクよっ…!」  我慢できずにアキも腰を振り、東郷の中で全てを出した。二回も射精したのは仕事のときにもあったが、ショーの最中であるという気の張りがあったため、ここまでの疲労感はなかった。心地よい気だるさが、アキに訪れる。だが、東郷の締めつけは揺るまない。 「はあっ、イクッ…!」  東郷も腰を何度か打ちつけると、アキの胸元に白いものを散らした。  ズルッとペニスを抜いた瞬間。東郷は脱力して、アキの隣であお向けに倒れる。アキは東郷の亀頭をきれいに舐めた。さっきのお返しだ。だが、東郷がくすぐったがってもアキはやめない。いつまでも亀頭に舌を絡ませる。 「…共演したときのお掃除フェラを思い出すな」  シックスナインの体勢に近い。東郷はアキの頬を撫でる代わりに、尻を撫でて優しく微笑んだ。  東郷の隣に、アキもキスマークだらけの体を横たえたが、セミダブルでは窮屈で体が落ちそうだ。目が覚めたら床の上、ということになるかもしれない。東郷が喉の奥で笑いながら、アキを抱き寄せた。 「これからアキとこうして寝るなら、セミダブルじゃなくてダブルベッドにしないとな」 「大丈夫ですよ」  アキの腕が、東郷の汗ばんだ背中に回る。 「こうして、くっついて寝ますから」  ほどよく筋肉がついた胸元に、アキは顔を押しつける。チュッと音を立ててキスをすると、汗ばんでいるせいか、塩の味がした。 「アキは奥手だと思っていたが、セックスでは意外と積極的だな」 「そうさせたのは、きっと」  アキの指が、東郷の胸元をたどる。 「勝さんですよ。ショーのときとカップル喫茶で、鍛えられたんでしょうね」 「…そうか…小悪魔アキはショーで育っていったんだな」  新人だったころのアキを奏と組ませて成長させ、奏が退店してからはアキがナンバーワンになった。その四年間を思い出しながら、東郷はしばらくアキを抱きしめていた。  どれぐらいそうしていただろうか。心地よさにアキがうとうとしかけたころ、いきなりアキの体があお向けに転がされた。東郷にしっかりと両手首を握られる。 「…勝さん…?」 「アキ、これは命令だ。もうこれからは――

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