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第3話
「今日のボケもキレてたじゃん」
「シンヤのツッコミがあるからだよ」
「ボケが面白いからツッコミが映えるんだろ?」
ちょっぴり気持ち悪いと思うかもしれないけど、終わった後はこうやって二人で褒めあうことが僕らにとって大事な儀式なんだ。
「二人ともお疲れ様ー! 今日も面白かったよー」
そんな僕らの儀式を邪魔するように同じクラスの女子が声をかけてきた。
「次が見られるのは文化祭かなぁ? 私、待ち遠しいよー」
「んー、そうだね。また次にむけて練習しないと……。ね、シンヤ?」
「あ、あぁ。そうだな」
そう言うとシンヤは少しうつむいていた。
「また二人で練習? もう結婚しちゃえばいいのに。そしたら本当の夫婦漫才じゃん」
「夫婦だなんだっていうのはネタなんだから、結婚するとかありえないよ」
「えー。そういうの流行りなんだよ。ファンが増えるの! 女子の!」
「だいたい結婚したとしてどっちが妻でどっちが夫になるんだか……」
そんなことを言い合っていたらシンヤが割り込んで言った。
「男同士は結婚できないんだから、つまらないことを言ってんな」
シンヤの顔は笑っていない。なんでそんな冷たい言い方するんだよ。そのツッコミも面白くない。
「あっ、すまんルイくん……。今日はもう帰るわ」
ピリピリして、どうしたんだろ。舞台は良かったと思うのに。疲れてたのかな?
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