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第5話
今日は満月・・・
ギイに知られないようにしなくちゃ・・・
嫌われてしまう。
いつも、満月の夜はギイのベッドからすり抜けてペントハウスの屋上にあるガーデンハウスの東屋で身を隠して眠っていた。
こんな姿みたらギイが驚いて僕を捨ててしまう。
人間にもなれなくて、耳もシッポも残ったまま・・・
どうせなら、耳もシッポも隠れて終えば良かったのに・・・
中途半端で・・・
こんな姿見せられない。
絶対に嫌われちゃう・・・。
シクシク鳴く声を聞いてる人がいるなんて思いもしなかったんだ。
ギイが耳もシッポもあっても、僕を受け入れてくれるなんて、この時の僕には考えつかなかったんだ。
ただ、ギイ・・・
貴方に、こんな姿だけは見られたくなかったんだ。
だってこれじゃ・・・
ただの化け猫だよ・・・
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