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第9話

伏し目がちに出て来たタクミは、凄く可愛い容姿をしていた。 その容姿は15・16歳位の少年の姿に猫耳と尻尾を付けて、漆黒の黒髪にクリクリとした真っ黒な瞳。 そして俺を惹きつけて止まない白く柔らかそうな肌・・・・。 俺が夢にまで見た姿がそこにあった。 驚きよりもタクミの姿に笑みが溢れた。 タクミはきっと、こんな姿を俺に見られたくはなかったのだろう。 いつの頃からか、よくは覚えていないが、決まって満月の夜は俺のベッドからスルリといなくなってしまうと思ってはいた。 この東屋に1人でいたんだな・・・ 1人寂しく夜を過ごして来たのかと思うと胸が締め付けられる思いで一杯になった。 『嫌われる』とでも思っていたのかもしれないな。 人間は自分達とは異質なものは嫌うからな・・・ でも、お前は俺にとって特別な存在だと分からせてあげるよ。 さぁ、おいで・・・ もっとその可愛い姿を俺に見せて・・・ 俺だけのタクミ・・・

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