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第2話

  「ほう?ソレで、最後の一線まで越えちまったワケなのか?」 赤ワインとチーズを抱えて、少年の部屋に訪れた青年は呆れ返っていた。 「虎よ、お前がそう言うとオレが犯罪を犯しているように聞こえるのは気のせいか?」 少年はそう言うが、せっせと青年の服を脱がせている地点でまったく反省の色を見せていないことが窺える。ソレどころか、きな臭いことを今からおっ始めようとしているから、青年は呆れる一方だ。 「なら、聞くが、お前、俺とどう言う関係か解ってんの?」 「どう言う関係って、オレの足を潰した主従関係の従者だろう?何、今更聞いてんだ?」 ズボンの前閉じを開いてその下にあるパンツの中に手を突っ込もうとしている少年は、青年以上に呆れ返っていた。この監獄のような部屋に閉じ込められてから五年と言う年月が経とうとしているのだから仕方がない。 「お前、その手もへし折ってやろうか?」 青年の言葉は刺々しい。が、そねみだと解っているから少年はまったく動じない。足を潰されたときもそうだった。少年はなされがままで泣きも喚きもしなかった。 「なんだ?虎、この手もへし折りたいのか?オレは構わしないが、そうするとこう言うことやこんなことはもう二度と出来ないぞ?お前はソレでイイのかよ?」 パンツから青年の逸物を取り出し馴れた手付きで扱き上げ、反り立ったその上に後孔を宛がえゆっくりと腰を沈めた。何も解かされていないソコに入るのはキツいが、少年がソレを良しとしているから青年は何も言えない。 少年は大きな亀頭を余裕な顔で呑み込み、ズブズブと卑猥な音を立てながら青年の全てを腹の中に収めた。少年の肉壁がきゅうきゅうと哭いている。気持ちがイイのかゆっくりと腰を揺らし、少年は青年の首に両腕を廻して、深い口付けを彼に求めてきた。 「んっ………、虎、………動いて………、ずくずくとされたい………」 こう言う誘い文句を口吸の合間に囁かれたら気分がイイのは、青年も同じ。だが、ソレでももう片方の青年とのこう言う行為を差し止められるなら、安いモノだと本気で思っているがこの青年である。 「ああ、構わないさ。二度とこう言う風に抱けないのは残念だが、お前が誰のモノかってお前が理解出来るんなら安いモノだ」 コレが最後だと思えと下から煽り上げるように少年を突き上げれば、少年は背中を大きく反って悶え始めた。何時もならココまで大きな反応は見せないのだが、今日の少年はヒクヒクと身体を弾ませる。 「………ああ、………ヤバい………、………気持ちよくって、………吹っ飛びそう………」 少年の口から漏れる言葉も意外で青年は少年の腰を抱えるように抱き上げる。絞り上げる腸の動きも活発で、青年は持っていかれそうになっていた。 「………ヤ、………あ、………虎、………の気持ち………イイ………、………ソコ、………もっと………」 グリグリしてと、淫らに求めることもなかったのに、少年は青年に抱き付き喘いだ。小さな手が彼の肩に食い込む。ドライで何度もイっているらしく、虚ろな瞳で呪文のように青年の名前を何度も繰り返し叫んでいた。 だが、青年がそんな少年の腕を掴んだとき、少年は大きく目を見開く。 「………や、……虎、………許してっ!!………オレはヤだっ!!………オレはヤだっ!!」 二度とこう言う風に抱かれないのは嫌だと青年の手にしがみ付く。自尊心が高い少年がこんな風に懇願し、せっつくようにお前だけを愛するからと青年に求愛し、捨てないでとまで言って泣き出すとは思わなかった青年は驚いて腕を折ることも忘れて固まってしまった。 鼻水を垂らしてわんわん泣く少年の姿を暫くの間眺めていて、ハッと息をするように呟く。 「そ、そんなに気持ちイイのか?」 言いたいことは他にも山ほど沢山あったが、まだ少年と繋がっている青年はそう聞かざる得なかった。青年が少しでも動くと目がとろとろと落ち、ゆらゆらと腰が動くのだ。 今も相当気持ちがイイらしく、しゃくり上げる声が色っぽい。感じないように踏ん張れば踏ん張るほど、顔も身体も湯がいた蛸のように真っ赤に染まっていく。 泣きながらコクコクと頷く少年は酷く恥ずかしいのか、耳まで真っ赤にして応えた。 「どうじょ、う………、ヒッグ、ごんなぎもぢイイの……う、まれてはじめで……ヒッグ………」 もう他のヤツじゃ満足出来ねぇよとまで言うと急に身体を大きく弾ませた。 「………あ、………ヤ、……おおぎぐじるな……」 身体を捩って快楽を逃そうと必死な少年に青年は物凄く嬉しそうな顔をして、少年の身体を揺さぶる。何をしても感じてしまう少年はヒクヒク泣きながら喘いでしまっていた。 「………やぁら、………おぢる、………おぢる…」 数分後には白目を剥いてはしたなく腰を振る少年はもう自分だけの世界に入り込んでいるらしく、青年の名前を口にしなくなっていた。気持ちがイイとか、吹っ飛ぶとか、堕ちるとかそう言う類いの言葉を放つばかりで青年のことはまったく見えていないようである。 ソレなのに、青年は少年が気を失うまで気持ちよくさせて彼の望むことをだたひたすら与え続けたのであった。  

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