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夢見がいいようで

焔緋 side  『ほむら!』  ぽん、と小さな頃の怜央が暗闇から姿を現す。懐かしいな、初めて会ったときは天使だと思ったくらい綺麗な子だった。今もそうだけど。  『いっしょにあそぼ!』  そう言って俺の手を掴んだ怜央は暗闇の中を駆け抜ける。    視界がぐるんと反転して、また新しい世界が広がった。今度は明るくて、白いところだった。  少し先に、怜央が立っているのを見つけた。  『怜央ちゃ…』  声をかけようとすると、怜央の後ろに誰かが現れた。背が高い、黒い影。紅い眼だけが光っている。俺はなんだか気に入らなくて、怜央の元へ走る。  『…ん?』  なぜか走っても走っても二人のいるところに近づくことができない。そのうち、その黒い影は怜央に何か呟き、怜央は  『ノアさん…』  と、そいつを見て言った。二人はそのまま俺に背を向けて歩き出し、消えてしまった。チっ、あいつがノア?へぇ、ヒントをありがとさん。次会ったらぶっ潰してやる。  イライラしていると、微かに俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。今日は…怜央がたくさん出てくるね…俺幸せ…  『…ほむら、ごめんね』  …何で怜央が謝るの?  『僕のせいで…』  お前のせいじゃないよ。大丈夫だから、泣かないで。俺にとってこんなの何ともないの、怜央なら分かってるでしょ?  思いは言葉にならなくて、伝えてはいるけど怜央に伝わってるのかは分からない。けど、これだけは言わせて。  「大好き、怜央」    そう呟きたとき、またゆっくり、視界が広く、明るくなっていった。      

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