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幽霊?

 「ただいま」  シーン…  あれ?誰もいない?  いつもは母さんが返事をしてくれるのに…買い物でも行ってんのかな。  …ちょっと待って、僕いまカギ開けて入った?  イヤな予感がしてリビングへ向かう。まさか、午後のロー◯ショーのサスペンスドラマみたいなこと起こってたりしてないよね…  おそるおそるドアを開けると、バラエティ番組の賑やかな音が大音量で流れている。つけっぱなしなんて珍しい、こんなこと滅多にないのに。  そう思ってテレビを消そうとリモコンを探そうと周りを見渡したとき、パッとテレビの音が止んだ。  「え…」  テレビが勝手に消えた。僕の全身が映る位大きい真っ黒になった画面に僕の姿が映る。それを見てヒュ、と喉が鳴った。  。  僕の背より大きいんだろう、胸から上は画面から見切れていて見えない。男っぽい。白い服を着ている。ダメ、僕ホラゲ好きだけどリアルはムリ。  このまま固まってても仕方ない。こういう心霊は後ろを向いたら消えてるってのが主流だから• • •だよね?そうだよね?  「……〜〜〜っっ!」  もうどうにでもなれ、とぱっと後ろを振り向く。何もいなかった。もう一回テレビを見ると、僕の後ろにはもう何もいない。  「本当にヤダ…」    この家にもお化けいたんだな、と思いながら2階の自分の部屋に行く。スポーツバッグに着替えやら何やらを詰める。スマホのバッテリーも入れなきゃ、と思いベッド周辺を見る。  「確かここに…あった」  ベッドから落ちていたバッテリーを拾い、バッグに入れてチャックを閉める。  一応母さんにもLIMEを送る。  『昨日も言ったけど、焔緋の所で泊まるから』    いつもはすぐに既読がつくのに、5分経っても既読も返事もこない。  まあいっか、と1階に降りて廊下を歩いたとき、何かが首筋をさらりと撫で下げていった。ビクッとして振りかえる。  シン、と静まり返った廊下があるだけで何も異常はない。  「まじで何なの…」  と一人ごちるほど、今日は疲れてる。もういたずらは止めて!と、さっさと玄関を開け、ちゃんと鍵をかける。1回引っ張って開かないことを確認してから、自転車に乗る。  今日は散々だ、と家を振り返りため息を溢して自転車をこぎ始めた。  

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