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葛藤
焔緋side
誰だよ、ノアって。ただでさえ友達と話してるのがイヤなのにオレの知らない人と話してるとか許さない。
オレの腕の中で寝ている怜央の頬を撫でる。年頃の男子のくせにシミ一つない白い肌に、グレーのサラサラでふわふわした髪。
長くて黒いまつげが太陽の光で光っている。
「怜央は自分の美しさを自負しなきゃだめだよ…だから変な奴らに目付けられんだよ」
小さく呟いても怜央は答えない。
血、飲みすぎたかな。今までより強く咬んだから結構出ちゃった。
えっちぃ声だったな〜。うん。またやろっと。
じゃなくて!そのノアって奴を突き止めて潰さないと。オレの怜央に近づくなんて許さない。
制服を捲って怜央の腹を見る。細くてしなやかなくびれの中心にある小さな金属。
…やっぱ、こんなピアス見たことない
十字型に象られた黒い石が埋め込まれてる。安物じゃないってことは見て取れる。
と言うことは大人か?怜央の友人関係においてオレが知らない奴はいない。怜央が女にプレゼントされたらオレが捨ててるから。男からも然り。
こんなモノ、いつの間に…
「ほむら…おなか、さむい…」
寝ぼけてるのか、舌っ足らずな口調。モゾモゾと身じろいでオレが捲っていた右手を掴んでそのままズボンの中にしまう。
…怜央ちゃん、無防備すぎ
好きだって言ってる男の手を自ら股間に入れるとは何事だ?とはいえ、調子こくと後からぶっ殺されるので、静かに手を抜く。
「はぁ〜かわいい〜」
ノアって奴のこと考えてたのにこんな事されたらよく分かんなくなっちゃうよ!!
またすやすやと眠り始めた怜央をギュッと抱きしめ、俺も目を瞑った。
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