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[2]次のターゲット?
「ちょっとおいで?」
軽い調子で誘いかけたユウジに連れられた先は、ホテルの最上階のお洒落なバー。
もちろん、俺とは無縁の場所。
バー自体、初めて踏み入れる場所だ。
「いらっしゃいませ。お連れ様は、すでにいらっしゃってます」
支配人が待ちかねていたように案内する。
案内に従って、細い通路を抜けた先は個室になっていた。
その中は、ソファーがガラス窓に対面で置かれ、目を見張るような艶やかな美人が座っている。
モデルさん?
美女は、俺達に気付くと優雅な仕草で立ち上がった。
げ、俺よりでかい!
美女はスラリとした長身で、ピタリと体の線が見える服を着ている。
それが下品にならず、逆に何とも言えない色気を醸し出している。
「ユウジさんですね。はじめまして。今日はお時間を頂き、ありがとうございます」
「カズヨさんですね? こちらこそ、ご連絡ありがとうございます」
二人は、欧米人のように握手をかわすと席についた。
おいっ! 俺の存在忘れてねー?
ま、こんな美女の手を触るなんて緊張するから、いいけどさ。
「念のための確認ですが、今日は、お話をお伺いするだけです。内容を吟味した上で、ご依頼をお受けするかは、後日、改めてお返事させていただきます」
「承知しています」
美女は、微笑んで答える。
あー、この人が依頼人。
こんな美人で何もかも持っていそうなのに、他人の強姦を依頼するんだ……。
少しだけ、複雑な気持ちになる。
「早速ですが、ターゲットはどなたでしょうか?」
美女はテーブルの上に写真を置いた。
写真の中には、目の前の美女とお似合いな30代くらいのスーツ姿の美丈夫が写っている。
キラキラしたオーラが写真の中から伝わってくる。
きっと一点の曇りもない王道を歩いてきたタイプ。
さぞかしモテそうだ。
これが、次のターゲット。
「彼は高校の時の先輩で、私は高校の時にレイプされました」
「では、報復に彼を襲うという訳ですか?」
「いえ、私です」
「え?」
「私を強姦してくださいと申し上げました」
思わず、驚きの声をあげた俺に悠然と美女は微笑んだ。
「ただし、彼の目の前で」
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