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男の娘?

「彼は豊日自動車の創業一族。今は、事業部長をしています」 やっぱり、正真正銘のお坊ちゃん。 こんな人が、高校の時に後輩をしかもこんな美女をレイプするとは……許せねえ。 「どのようなシチュエーションをお望みですか?」 「私が彼にされたことをそのままを再現して欲しいのです。あの時の彼の動作、言葉は全て正確に覚えています」 「自分のしたことを客観的に見せることで反省を促すのですね?」 「はい、その通りです。彼なら目の前で襲われていれば、きっと助けに入ると思います。けれども、その行為はかつて自分がした卑劣な行為と同じということを身をもって知って欲しいのです」 美女はここで目を落とした。 「わかりました。では、1週間ほど頂いて御返事させて頂きます」 「承知しました。宜しくお願いします」 美女は優雅に頭を下げ、ヒールの音を鳴らして出ていった。 「ユウジさん、依頼どうするの? あんな美女をレイプって許せない男だね。ギャフンと言わせないと!」 「調査次第かな? 裏がありそうだしね?」 「裏? どんな?」 「それは、お前が調べるの! 前回言ったでしょ? 頑張ってね」 「はい?」 そんな…… 俺に調べる事ができるんだろうか? しかも、期間は1週間。 「あ、気付いてないだろうけど、あの人って男だから」 ええーーーーーー!!!! マジ????? 「その辺もしっかり調査よろしく! 調査がきちんと出来ていないと大変なことになるからね?」 「そんなぁ……何から調べればいいのかわからないし、しかも、どうやって調べればいいの?? 会社に行って聞き込みをするの??」 「ばーか、そんなことをすれば一発でターゲットにバレるでしょ?」 「じゃあ、どうすれば……」 そこで、ユウジはポケットから紙片を取り出した。 それは、黒の背景にピンクのデコ文字があしらわれたキャバクラの名刺だった。 「ここがターゲットの行きつけの店らしいよ」 いつの間にそんな情報を!! 話を聞く前から依頼内容を予測していたのだろうか? とりあえず、自分のなす事がわかった。 ボーイのバイトで潜入捜査とは、なるほど!! 「ボーイは募集してないから。常時募集しているのは、女の子だけ」 って、ことは…… 「十分、通用するから大丈夫! 自信もってね♪」 なんだってーーーーー!! 顔面蒼白になった俺に、ユウジはトドメの言葉を投げつけるとニヤリと笑った。

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