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ターゲットはユウジ?
「俺のチンコってことは、タローが俺を強姦すれば依頼は完了? 今回は楽勝♪」
ユウジがニヤニヤとしながら口笛を吹く。
ホントだ。もう、完了。ラッキー!
……じゃ、なくて。
問題は、なぜ、あの少年がユウジのチンコを……それも一時間も語れるほど知り尽くしていたのか?ってこと。
それに加え、そのチンコの持ち主のユウジを強姦しなくちゃいけないのかってことも謎のまま。
「ユウジさん、依頼人と知り合いだったの?」
「あのときが、初対面」
「じゃあ、なぜ、ユウジさんのチンコを知ってるの?」
「さぁ?」
「過去のターゲットだった?」
「それはない。あの子の年齢的に」
「なら、なぜ会ったこともないユウジさんのチンコを狙うの!」
「さぁ?」
いつまで続くんだ? この禅問答のような会話は。
この人、真剣に考えているんだろうか?
悲壮感なく、ヒトを食ったような表情を浮かべるユウジにイライラが頂点に達する。
「ユウジさん! 理由もわからずにタローさんに掘られるんだよ? いいの??」
思わず、声を荒げてテーブルを叩くと、タローがコーヒーを目の前に置いた。
じっと、俺の目を見つめる。
「落ち着け。俺達の仕事に後戻りはない。依頼を引き受けた以上、やることは1つだ」
俺はぎゅっと手を握りしめた。
タローの言うこともわかる気がする。
でも、やっぱり、そんなのはおかしい。絶対。
それでいいはずがない。俺は、そんなのは嫌だ。
タローとのやり取りを黙って見ていたユウジが、いいこと思いついたと言うように、目を輝かせて言った。
「タローじゃなくてお前が掘ればいいんじゃない?」
はぁ?
何だよ、それ。
その一言に、パチンと自分の中の何かが切れた。
「もう、いい。勝手にすればっ!!」
知らない。
どうして、俺だけがこんなに真剣に考えてて、当の本人は気楽なんだ?
絶対にダメったら、ダメ。
理由もわからずに簡単に体を繋げるのは、どう考えても違う。
こんなことで、二人に寝てほしくない。
二人に……
あれ? なんで? 俺……
こめかみを人差し指で押さえる。
なんで俺、こんなに動揺してるんだろう?
心の奥にチクチクとした不快感が広がる。
俺は……
混乱する思考をひとまず停止させ、
「俺のいないところで、勝手に寝ないでよっ!」
と捨て台詞を残すと、家を飛び出した。
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