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依頼の遂行?

「どうして約束を守ってくれなかったんだよ!」 指定されたホテルの部屋はもちろんスイート。 部屋に押し入って、二人の姿をみとめると同時になじった。 帰るまで寝ないでって頼んだのに、勝手に動くなんてっ! 「ちゃんと守ったでしょ? 俺達は、まだ寝てないよ?」 ユウジが薄笑いを浮かべながら鼻で笑う。 なんだ、その言い方? めっちゃ、ムカつく。 「でも、寝ようとしてるじゃん! 俺が何とかして二人が寝ないで済むように動いてるのに……折角、その糸口をつかんだのに……無駄になるじゃん!」 依頼人と店長が後ろにいることを忘れ、さらに言い募る俺の肩をタローは優しく掴んだ。 「俺達はプロの強姦屋だ。引き受けた依頼は、何があっても完遂する。わかっているだろう?」 「タローさん……」 そうだ。それがプロというものだ。わかっている。 だけど…… ……だけど、二人にはどうしても寝てほしくない。 自分でもよくわからないけど、絶対に嫌だ。 「今から依頼を遂行します。まずは、ターゲットが正しいかご確認をお願いします」 ユウジはキングサイズのベッドに腰を掛けると、スラックスとパンツを同時に引き下ろした。 まだ兆していない下半身がむき出しになる。 タローがその前に跪いた。 そして、ユウジのそれを躊躇なく口に喰わえる。 フェラチオを開始する。 唇だけじゃなく、体全体を使っての愛撫。 「んっ」 鼻に抜けるような呻き声。 眉根を寄せた艶かしい表情。 ピチャビチャと僅かに聞こえる水音。 なんだよ。 タローもユウジもノリノリじゃん。 この二人、ひょっとしてセックスしたことあるんじゃない? ……そうだよ。 俺はぎゅっと上着の裾を握りしめた。 どうして気付かなかったんだ? この二人はずっと一緒に暮らしてるんだし、そもそも、こんな商売をやり始めたのは体の関係があったからじゃないか? 全くの無関係であるはずがない。 過去じゃなくて、現在進行形で恋人同士なのかもしれない。 その証拠に、タローはユウジの良いところを的確に攻めている。 「あっあっ」 喘声があがる。 俺は見ていられなくて、目を伏せた。 邪魔者は、俺だ。 俺がいなければ、思いっきりいちゃちゃできるじゃん。 てか、俺がいないところでは、セックスしてるのかもしれない。 昨晩だって、思いっきりセックスしたのかも…… モヤモヤとしたどす黒い霧で思考が目隠しされる。 冷静な判断力はなくなり、ズキズキと心が痛い。 「ほら、ご確認をお願いします」 タローが体をよけるとユウジのエレクトしたぺニスがあらわになった。 「…………っ……」 所在なさげにたっている店長の背中を依頼人が押す。 「ちゃんと見て? これは、みっちゃんの大好きな理想のチンコ?」 「そんなことを言われても………わかんないよ」 「大事なことだから。ちゃんと確認して」 「だって……わかった、確認する…………うん、この形、間違いない」 店長は、タローの唾液でヌラヌラと光っているユウジのチンコをシゲシゲと眺め、断言した。 「間違いないです。では、彼を犯して下さい」 依頼人が表情を変えず淡々と告げる。 店長が振り返り、依頼人に詰め寄る。 「え? 犯すって?? どういうこと??」 「だから、みっちゃんのチンコは、今から別の男に犯されるんだよ? 未来永劫、みっちゃんの中に入ることはない。よく目に焼き付けておいてね」 「何よ、それ!!」 「言葉の通りだよ。みっちゃんの体を満たすチンコはこの世から消えるんだよ? このお気に入りのディルドを見るたびに今日のことを思い出すんだ、このチンコは別の男に犯されたネコのものだって。そんなもので今までと同じように満足できる? もう、出来ないだろ? これからは、このディルドでみっちゃんの体は満たせない」 いつの間に持ち込んでいたのか、依頼人はポケットからディルドを取り出してゴミ箱に投げ捨てた。 清楚な美少年の面影はすっかり消えている。 いっぱしの雄の顔で店長を挑むように見つめる。 「早く、彼を強姦して。思いっきり、感じさせて声をあげさせて」 「わかりました」 「だめよ、やめてーー」 店長が悲鳴をあげて必死に止める。 タローはまるで聞こえていないかのように、顔色を変えずにファスナーをおろして自分のぺニスを引き出した。 それは、黒々としていてすでに先走りの液で濡れている。 ……準備万端じゃん。 ぐっと唇を噛み締める。 もう、諦めるしかないのか…… 悔しい。 何か、手はないのか…… 「待って、俺がやる!」 トンでもない言葉が、俺の口から飛び出していた。 「誰がなんと言おうと俺がやるんだから! 止めたって無駄だからね!」 ひぇーーー、 何言ってんの!! 俺?! シーーンと静まり返った部屋の中、ゴクリと店長の喉が鳴った。

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