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地下室の犬?
ドスドスと腹立ち紛れに、階段を下りていくと重厚なドアに行き当たった。
この向こうに犬がいるのだろうか?
ドアに耳を当てて様子をうかがう。
ウオーン、ウオーンと微かに動物の鳴き声が聞こえる。
ドア、開けちゃっていいのかな? 逃げたら大変だし。
細心の注意をはらいながら、僅かに開けた隙間から覗く。
「あー、いい……んんっ、いく、良すぎて死んじゃうっ!」
!!!!!
なんだ、なんだ!?
頭に乱舞するエクスクラメーションマーク。
予想外の展開。
犬……なのか??
犬の鳴き声と思ったものは、全くの別モノだった。
なんと男が喘ぎ声をあげながら、裸で四つん這いに這いつくばっていた。
その剥き出しの尻にはふさふさの尻尾。
よくみると、尻尾は肛門に突き刺さった物体から生えている。
きっと噂で聞く、アナルプラグってやつだろう。
「躾が終わり、一人遊びが上手にできるようになった。暇だったら遊んでやってもいいが、基本、餌と見張りだけでいい」
いつの間にか背後に運転手の男がいた。
どうやら、仕事の説明をしてくれるようだ。
「餌は、お前が作って与えろ。犬に自分で食べさせても、お前が食べさせてやってもいいが箸やフォークなどの道具は禁止だ」
「どうして?」
「事故を未然に防ぐためだ。それと、欲情してもそいつに挿入するな。今回の依頼は調教だけで処女で引き渡すことになっている」
「依頼? それってこの人が依頼人?」
尻尾男は焦点の定まらない目をしていて、口からはヨダレを垂らしている。
通常の状態なら、売れっ子のホストになれそうな甘いビジュアルなのに下肢をピクピクと震わせ、アへ顔でイキまくっている。
「依頼人はこいつの同級生だ。明日、引き取りにくる」
「ちょっと待って。これって犯罪だよね?」
「そうか? 犯罪?」
運転手の男は、ニヤリと微笑んだ。
「ここにはこいつの意思でやってきた。こうして、扉には鍵はかけていないし逃げ出すのは自由だ。性行為も強制していない。意志に反した行為ではないから監禁罪も強制性交等罪、強制わいせつ罪の適用範囲外だ」
「俺が見張りをするんだったら軟禁でしょ?」
「見張るだけだ。逃げるのを阻止するわけじゃない」
突然、尻尾男が甲高い声で喘ぎだした。
「いれて~、大きくて太いのでゴリゴリして~」
運転手の男は、尻尾で直腸をゴリゴリ刺激しながら、
「明日まで待て。思う存分はめてもらえるから楽しみにしろ」
と、それだけで勃起してしまいそうなとんでもなく官能的な声で囁いた。
この運転手の男が『竿師のタロー』の通り名を持つ、男も女も例外なくメロメロにしてしまう奇跡のテクニックと日本一のイチモツを持つ伝説の男であることを知ったのは、そのすぐあとのことだった。
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